愛の手


しばらく礼央と視線が絡んだ。

なにかいいたそうな瞳なのに、礼央は黙ったままあたしを見てる。



沈黙が痛い。

むしろ体の痛みがしだいにきてて、痺れたみたいに痛い。




「ぶはっ!!」

「へ!?」

突然息をふき出した礼央は、腹を抱えて笑いはじめた。


「だははははっっ!!! めっちゃお前らしい考えだわ!!! サイコーッッ!!!」

「……へ?」


肩を震わせて、そこまで笑う!?ってくらい声をあげて笑う。

目には涙が浮かんで、ちょっと苦しそう。


「ひー、ひー、やっぱ愛理は愛理だな」

「なに当たり前のこといってんの?」


……ヘンな礼央。