愛の手


口の中の血が、ツバに混じって喉をとおった。

マズイ、って思いながらも、血がとまることはなかった。


あたしは近くでうずくまっている礼央を向いた。

「……あんたは、なんで矢崎組とつながってんのよ」


いつもあたしのそばにいた大事な幼なじみ。

学校でも、いつも一人のあたしを気遣ってクラスまできてくれてた。

身よりのないあたしを、引きとろうとしてくれたりもしたのに。



それなのに礼央は、あたしを矢崎組に連れてきた。

殴られてるあたしを、助けようともしなかった。





なんでなの、礼央。