七代目は、あたしの顔を舐めるように見つめた。
気色悪い。
オッサンにジロジロ見られるほど、気持ち悪いことはない。
「おい、礼央」
「はっ」
「約束が違うじゃないか」
「――っ!! も、申しわけ……っ!!!」
ゴツッ、と鈍い音が響いた。
そばにいたはずの礼央は、顔をしかめてうずくまっていた。
ゴトッと音をたてて落ちたのは、七代目が手にしていた扇。
鉄のカタマリなんじゃないのか、って思うくらい、重い音。
「わしは、顔には傷をつくるな、といったはずだ」
「も、うし……わけ、ありませ……っ」
ただ謝るだけの礼央。
ねぇ、礼央。
あなた、なにを隠してるの。

