愛の手


着いたのは、何分経ったあとだろう。


歩くペースが極端に遅くなってたから、とても長い道のりに感じた。

実際は建物の部屋を移動しただけだった。





案内された部屋の中には、一人の男がどっしりと腰を据えていた。

ド派手な着物を着て、ガタイのイイ体を支えるようにヒジをついて座ってる。


頬には、十字の傷。


まわりの空気が、尋常じゃないことを匂わせた。





ゾクッ




あたしの体が、拒絶反応を起こし始めた。





――…この人……っ!!?