愛の手


「怪我の具合はどうだ」

静かな部屋に響いた男の人の声。

意外に低い声に、体をビクつかせた。



小刻みに体が震えて、若と呼ばれる男の存在を拒絶する。


目にはうっすらと涙。

なにもうつそうとしない瞳は、恐怖の色を浮かばせた。


怖い。

はやく、逃げなきゃ……



怪訝そうに眉をひそめた若は、そっと手を頬に向けた。




ゾクッ




背筋が凍った。