愛の手


――…


あたしはこの感覚を知ってる。



体が鉛のように重くて動かない。





あたしの意思に反して、体はべつの器のように、動くことを諦めてる。





前と違うのは、頭がズキズキすること。


殴られたんじゃなくて、頭の芯が痛む感じ。





口の中は血の味。





あぁ…




また、殴られたんだ。