愛の手


二人きりになった室内は静かで、さっき以上に居心地悪くなっていた。

この部屋は宇宙空間か!?って思うくらい、酸素がなくて息苦しい。



「愛理」

「……はい」

「こっちにきなさい」

招かれているさきは、総司さんの隣。

テーブルを挟んで座っているいまの場所じゃイケナイってこと?




「きなさい」

「は、はい」

痺れを切らした総司さんに催促され、あたしは神業的スピードで隣まで移動した。

あたしって、従順な犬になってない?