愛の手


状況把握の出来ないあたしを、俵かつぎみたいに運ぶ康平さんは、力持ちだと思う。

「ちょっと、康平さ…っ!! ケガしてんだから、おろしてよぉぉーーーっっ!!!」


それにあたし、めっちゃ重いのに!!


抵抗するヒマもなくかつがれて、有無いわさずに連れていくのに慣れてる感じがした。





あたしの言葉は全く無視され、康平さんは肩にかついだまま軽々と歩いた。

「お嬢軽すぎ。夕飯からいままでの倍食べましょーね」


なんて、優しい気遣いまで。


「あっ…急にお腹が……」

「あー? なんかいいましたかぁー?」

「…いえ、すいてきたり……こなかったり……」

康平さんはなだめるみたいにポンッてあたしのお尻を叩いた。


「夕飯まで我慢してくださいね」


お尻……

プチセクハラなんですけど。