愛の手


「……」

「……」


お互い口を開こうとしない。



なんで学校にいないのか、とかなんでネットカフェ?とか……

疑問がいっぱいあるはずだ。




それなのにあたしのことを思ってか、いつものように静かな車内。

申しわけないな、って気持ちを抱きながらも、この静かさがいまは心地イイ。




学校とか、友達とか、家族とか、いまはどうだっていい。

なにも考えたくない。




現実から目をそらすように、あたしはマブタを閉じた。