愛の手


――…


白いゼロクラウンは、あたしの説得のかいあってネットカフェへ迎えにきた。

祐輔さんにバレて、総司さんに告げ口されるのがイヤだから、口止めも忘れずに。



おかげで車内は、久々に仁さんと二人きり。

たんなるあたしのワガママなのに、理由も深くきかずに迎えにきてくれた。



絶対に内緒にして!!ってお願いも、しぶしぶながら了承してくれた。



口数の少ない仁さんだからこそ、口はカタイんだと思う。

了承してくれたからには、総司さんたちにいわないでくれる、というみょうな自信があった。





「ありがとう、仁さん」

「……いえ」

運転をしながら、仁さんは一瞬だけバックミラー越しにあたしを見た。