愛の手


学校をサボったなんて知られたら、あたしは総司さんに顔をあわせられなくなっちゃう。


うしろめたいのに、学校に帰ろうとしない足。

どこに向かいたいのか、あたしにはわからなかった。



学校とヤクザ屋敷。

それ以外に思いついた場所――…





「いらっしゃいませー」

自動ドアをくぐると店員の明るい声が響いた。

ここはあたしの元アルバイト先、ネットカフェ。



「お久しぶりです、美恵さん」

「あれぇ、愛理っちじゃん!! どうしたの!?」

明るい声に短い髪。

少し吊り目気味の目がカワイイ先輩だ。