愛の手


どこにいこうとしてるの?

どこに、あたしの居場所があるの?





全てを失った、あたしに……

なにが遺ってるというの?






そこにきて初めて、あたしには学校とヤクザ屋敷にしか居場所がないことに気づいた。





一人になるとなにも出来ない。



無力な自分――…






「……総司、さん……」

呼び声はむなしくも、風にさらわれて消えていった。