愛の手


気まずそうにあたしから視線をそらした。

どこを見ても、この大惨事に姿のない総司さん。


「ねぇ…、総司さんは……?」

あたしはもう一度問いかけた。




お願いだから教えて。

急かすように祐輔さんの服をつかんだ。




かすかに震える手。

あたしはこのとき、ヤクザというモノの怖さを再認識されてる気がした。









祐輔さんは小さく息を吐き、

「……捕まりました」

といった。