愛の手


「少し起こしますね」

あたしは背中を支えられながら、ゆっくりと体を起こす。


多少の痛みはあるものの、一気に起きたときの痛みに比べればなんてことない。

背中に手をまわされたまま、須藤さんはもう片方の手でお粥をすくった。


ふぅ、ふぅ、って冷まして、口まで運んでくれた。

ほんのりあったかいお粥が、喉の奥を通る。


「熱くないですか?」

「大丈夫デス」


何口か食べると、からっぽの胃袋がしだいに落ち着いてきた。

人のつくった料理っておいしいね。


……ううん、違う。



久々に、人と一緒に食べる食事だからだ。




「おいしい……」

あたしの口は、自然とそう呟いていた。