愛の手


正直どうでもいい。

だってその中にいま身を置いてるわけで、逃げられるわけでもないから。



どんなに忠告されても、あたしにどうすることも出来ないもん。


「康平ってヤツには気をつけろよ。お前になにかあったら、オレ……」



はじめて見る、切ない瞳。

なにか悔いてるような表情に、あたしは口を開いた。







「大丈夫だから」