「おい、愛理」 「げっ」 教室であたしを呼ぶのはただ一人…… 「逃げんなって!! おい、待てよ!!」 そりゃ逃げたくもなるよ。 康平さんと一緒にいたときだって、なんかいいたそうだったじゃん。 そそくさと逃げようとしてたあたしは、いとも簡単に礼央の大きな体に行く先をはばまれた。 勝ち誇ったかのような礼央の顔が、みょうに癪に障る。