「やっと…っ!! やっと認めたんスか!!?」

「あ、イヤ……いまのは言葉のアヤで…っ!!!」

嬉しそうにあたしの両手を握り、ブンブンと大きくふる。


「そうだ!! 若にいまのこと報告……っ」

「せんでイイっ!!!!」

あたしのやることなすこと、全て総司さんに筒抜けになりたくナイ。

携帯を出した康平さんをとめると、一気に疲れが襲う。




礼央の隣でジーッと静かにしていた男が、あっ、と大きな声をあげた。

「思い出した。僕のアニキが緑高なんだけど……その人、全国模試で六位の天才のクセに、暴走族の総長してた鬼神――…康平さんだ!!」

「え…っ、一人で柔道部、カラテ部、合気道部をつぶして、なぜか暴走族に入ったっていうあの!!?」


「よくご存知で」

歯を見せて笑う康平さんは、子供のイタズラが成功したときのようだった。