愛の手


食べ終わってからシェイクを口にした。

食後にサッパリする、ストロベリー味。

康平さんはおとなっぽく、ブラックコーヒーを飲んでいた。



「苦くないんですか?」

「慣れればおいしいよ。飲んでみる?」

渡されたコップからは湯気がたっていて、あたしはクンクンと鼻を動かした。



コーヒーのイイ匂い。



「にがっ!!!!」

「ははは、本当に飲むなよ、お嬢」

飲んでみるかきいたのは康平さんなのに!!!

うらめしそうに見ると、なにくわぬ顔でコーヒーを飲み始めた。




「愛理か?」

「あ、礼央だ」

金髪をワックスでたてて、ピアスがジャラジャラゆれてる。

そばには数人の男友達がいた。

確か礼央とおなじクラスの人だ。