愛の手


「誤解まねくようないいかたやめましょうよ、康平さん」

「んっ? 間違ってはいないっしょ」


いやいや……

九割がた間違ってると思いますけど!?



店員はあたしを睨むように見た。

ってか店員、本来の仕事を忘れてるだろ。



「買い物するなら、あたし外に出てるよ」

敵意むき出しの視線から逃げたくて外に出ようとした。


それなのに腕をつかまれ、阻止された。

「そばにいないとダァーメ」




笑顔が悪魔に見えたあたしは、自然とうなずくしか出来なくなっていた。