『ジュンちゃん、
遅くまでゴメンね~♪
またお店寄ってよ♪
イイ感じのエクステ
入ったから…

さっ、麗子ちゃん行くわよ!
アリガト。じゃあねぇ~♪』


またグイグイ腕を引かれて
行く…


次の靴屋さんでもチーフは
いつものチーフだった。


ジュンちゃんの時と同様に
お店の女の子に礼を言うと
店を後にした。


『麗子ちゃん、
モデルみたぁ~い♪
かーわーいいっ♪』


褒められて悪い気はしないけど

チーフ、場所選ぼうよ…


思いっきり路上で、しかも
ストリートパフォーマーより
目立ってるし…

恥ずかしいよ…。


そんなチーフの黄色い声援が
思わぬ人々を呼び寄せて
しまった。


『おう!
兄ちゃんよぉ、さっきから
キイキイるせぇんだよ!
兄貴がオメェの声で
頭痛がしてしょうがねぇん
だとよ!
どうしてくれんだよ!ぁあ?』


いかにも危険な匂いが
プンプンするサングラスの
お兄さんが、チーフの
顔から3cmほどの距離で
顔を斜に構えてる…。


これって‥


『可愛いネェちゃん
連れてんじゃねぇか!
上玉ですぜ兄貴。
こりゃあ売れますぜ。』


兄貴と呼ばれた更に恐面の
男がアタシの顔に触れて来た!


『ちょっと!
何やってるんですかっ!

口紅がヨレちゃうじゃ
ないですか!』


嗚呼‥チーフ、Help!