「分からないんだろ?」 「………」 「しょうがないな。教科書出して。高1の」 「え?」 「俺が双葉に教えるから双葉が樹梨に教えて」 「分かった!アリガト」 大樹は少し冷たいところがあるけれど基本は優しい。そういうところが好きなんだけどね! 「で、双葉は数学の何が分からないんだ?」 「えぇ?全部?」 「は?全部?」 「うん」 ホントです。ウチは数学の図形から公式まで、さっぱり分かりません。 「分かった。俺もあまり時間がない。6時間で高1の基本は終わらせる」 「はい!」