「何で躊躇ったの?」

愛李と俺の攻撃開始。

「え…」

見てろよ、恋叶。
俺等は無力じゃないからな。恋叶が『櫻菜に戻りたい』とだけ言ってくれれば頑張るんだ。
…俺等にとって恋叶は大切な仲間なんだよ。

「ホントは戻りたいんじゃないの?」
「…戻りたくないよ」
「何で?」
「戻ったらまた蓮人は理事長に縛り付けられる」
「言っとくけど…」
「蓮人は恋がいなきゃ意味がないんだからね」

愛李は恋叶を真っ直ぐ見て言った。

「………」
「恋が櫻菜に戻りたいなら僕等は頑張るよ」
「違う学校だけど俺だって力になることはするよ」
「僕達は恋自身の素直な気持ちを聞きたいんだ。今の恋は全然楽しそうじゃない。いつも笑ってたのに今は全然笑ってないじゃないか」
「俺等は皆、仲間なんだ。もちろん恋叶もな」

恋叶は、ずっとうつむいている。

「「自分の気持ちに素直になれよ」」

俺と愛李は声を揃えて言った。

絶対恋叶は櫻菜に戻りたいはずだから。

俺等はお前の為なら何だって協力する。だから恋叶も自分の気持ちに素直になって俺等にホントの気持ちを教えて…。