予想外だった。
まさか蓮人達に会うとは…。

「………」
「恋叶…大丈夫?」

どんどん溢れてくる涙に響希は戸惑っているように思える。

「とりあえず…座らない?」
「うん…」

ゆっくりとアタシ達は歩き出す。

「あの人達は…櫻菜の人達だよね?何があったの?」
「…実は」

アタシは全部、響希に話した。
響希が『彼氏』なんて嘘。
響希は、ただの幼なじみなんだ。
響希には無理矢理、演技に付き合ってもらっただけ。キスまでしちゃったから申し訳ないけど…。

「ねぇ…恋叶」
「ん~?」
「恋叶は櫻菜に戻る気ないの?」
「…うん、まぁ」
「櫻菜に入った恋叶、凄い生き生きしてたのに。中学の時にサボってた恋叶とは、まるで違かった。メールで櫻菜に入ったって聞いたとき凄いビックリしたんだ。あの秀才学校に恋叶が入るなんてね~」
「アンタは何が言いたいわけ?」
「だから櫻菜に戻れって言ってんの!」