さりげなく優しいよね。不器用な言い方だけど嬉しいよ。
嬉しくて表情を緩めた瞬間、男子更衣室に入れられチュッと言う音を鳴らし上からキスが降ってきた。

「んんっ…」

油断してたから蓮人の思うがまま。アタシの唇を包むようにおかれた唇は段々激しくなってくる。

「んっやぁ」
「…可愛い声」

なんて甘い言葉を呟き、またアタシの唇に唇を重ねた。
舌が入ってきて息も自然と荒くなる。立っているのが精一杯。後にプチンと言う音がしてアタシは目を見開いた。蓮人がアタシのYシャツのボタンを外している。

「やっやめ!」
「…我慢するのって大変なんだよ」

そう言って唇を塞がれた。
勿論、唇で…。
蓮人はアタシの両手首を左手で押さえ右手でアタシのYシャツのボタンを外している。半分ボタンを外しアタシの首に舌を這わせてきた。反応してしまう。

「あッあぁ…」

アタシと蓮人の荒い息と混ざりあった2人の香水の匂いでなんとも妖しい空気を作り出していた。
アタシは朦朧として意識を失う寸前。それに気付いたのか蓮人がアタシから手や身体を離した。それを合図にアタシは床に崩れ落ちる。

「大丈夫か…?」

心配そうに見つめる蓮人。
…貴方がやったんでしょう?

「ゴメン…今まで我慢してた理性が爆発した」

…大丈夫。蓮人はアタシの好きな人だから。いつもの蓮人も好きだけど危ない蓮人も好き…。

そう思うアタシはMでしょうか。

アタシは危ない王子の瞳に捕らえられている…。