チーフとか面倒くせぇ…しかも何で俺が執事?まぁ、いいや。それより恋叶のメイド姿、見てみてぇ。

「何、ニヤニヤしてんの?」
「え?」

恋叶に、つっこまれた。
俺…そんなに顔に出てたか?

「ホントにチーフなんて面倒くさいよね」
「まぁな」
「でも、アタシ、ちょっと楽しみかも」
「え?」
「こうやって、嫌嫌言いながら皆と笑いあうのも1つの思い出…。そう思わない?」
「そうだな」

気付いたんだ。
最近、恋叶の表情が優しくなった。入学した時の『カッコイイ恋叶』が消えて『カワイイ恋叶』になったんだよ。
その分、恋叶ファンも増えたけど。

「蓮人ってさ!」
「?」
「笑顔が多くなったよね。入学した時は皆から手が届かない王子的存在だったのに今では親しみやすくて蓮人を信用する人も増えてきた」

そうなのか…?
でも、もし変わったなら…それは恋叶のお陰。

「自分では、あまりそういう感覚が無いな。でも学校が楽しいと思ったのは初めてだ。信じあえる友達ができてライバルができて…何より好きな人と出会えてホントに今が楽しい」

恋叶の方を見ると恋叶は優しく微笑んでいた。

そんな笑顔に、また溺れる。


(俺…恋叶のこと相当好きなんだな…)