「蓮ちゃん、大きくなったね。何時ぶりかしら…。また、かっこよくなったんじゃないの?」
「…んなことねぇよ」
正直言って俺は舞子が苦手だ。
特別、綺麗ってわけでもねぇし。舞子も他の女と同じ。甘ったるい声でベタベタ触ってくる。
「あら、蓮人?帰ったの?もう1日、学校に、いるんじゃなかったかしら…」
と考え込む俺の母親。
「まぁ、いいわ。舞子ちゃん、火見てきてくれない?」
「はい」
舞子はキッチンへと走っていった。
「母さん…なんで舞子がいるの…?」
「お父さんが連れてきちゃって…」
「………」
「いいのよ。貴方は自分の好きな恋をしなさい」
俺は母さんを尊敬する。というか信頼している。だから昔から、どんなに嫌なことでも母さんの言う事だけは守っている。


