「お前みたいな陰気女のカテキョをしているなんて、ツレに知れてみろ…俺のプライドが傷付くだろ?」


「…はぁ」


凄くけなされている…にも関わらず、そういうことを言われ慣れている私は、悔しさなどと言う感情は微塵も浮かんでこない。

…あるのは恐怖のみ。


「いいか、よく聞け、俺が付いてやるからには、お前の外見と私生活を並以上に改善&改良しろ」


「…は……?」


無茶苦茶だ。



「"はい"だろ…」

「はいっ!!」



私の髪を切ったハサミをこっちに向けて、脅迫気味に言われたら、そりゃもう従うしか選択肢はないですよ?


「よし…とりあえず、次に俺が来るまでにコンタクト作っとけよ?今だけは眼鏡を許してやる…ほら、」


ごみ箱から、汚らしいげに摘んで出してきた眼鏡を、私に渡してきた。


「やっ…埃とか付いてるし、そのまま掛けるのはちょっと……」

「俺にこんな汚れた眼鏡をいつまで持たせておく気だ?今すぐ引き取らねぇと、レンズをブチ割る」


汚れたのは貴方様のせいです…有無を言わせない威圧あるお声ですね。


「はい…有り難く掛けさせて頂きます…」


先生が見守る(見張る)中、いつも以上に曇った眼鏡を(嫌々)装着して…その曇ったレンズから見た先生の表情は、この先私を不安にさせるような、悪戯な笑みに満ちていた…。


あれ?家庭教師っていうか…

…調教師的なもの??