真正面には、…先生の顔。




「っ〜〜」


駄目…だめ、ダメダメダメ!!!!!!

男の人の顔をこんな至近距離で!!?しかも超絶美形だよ!!?


先生はその状態で私の顔面を真っ直ぐに見続けてくる。

耐え切れなくなった私は、俯いて目を固く閉じた。


恐怖と緊張の入り混じった感情が溢れて、心臓の音が無音の部屋に漏れてしまいそう…。



そんな中で、やっと耳に入ってきた音は─


─チャキーッ



「…ぇ……え?……えぇぇえっ!!!?」


「こんなもんか、次は…」



前髪(※正しくは前髪なのか何なのか分からない毛)…をスパッと、切られて…いた。


「あ、あ、…あぁあぁの!!!なっな、なに、を!!?」


「眼鏡没収」

「ひあぅっっ!!!?」


私の眼鏡を素早く引き抜いて、没収…というか、ごみ箱へと投げ入れた。


「な、なにっするんですかっ!!!?」

「うるさい、黙れ」


「っ!………」


ここは私がキレて反論はずの所なのに、先生の怒っているような表情と、真剣な低い声に圧されて、何も言い返せなくなってしまった。


「正直に言う、俺はお前みたいな女(?)の家庭教師なんかやりたくない」

「………」


"女(?)"って、何で疑問形…?


しかも家庭教師に、"家庭教師やりたくない"って言われるって……