「俺の大事な彼女、イジメんのやめてくれない?」 諒の言葉に、みんな黙り込んでしまう。 「次、紗月に手出したらマジで許さないから」 凄みのある声音で、威嚇する。 「…諒」 あたしの頬を叩いた子が、力なく諒の名前を呼ぶ。 泣いてしまいそうな、か弱い声だった。 少しの間、諒とその子が見つめ合う。 そのあと、彼女は走ってどこかへ行ってしまった。 あとの2人も追いかけるように逃げていった。