「さっちゃん、こっち向いて。」 机の上のカバンをギュッと握りしめ、上を向くことも出来ず、下を向いたまま…… 諒はそんなあたしの手をそっと握る。 パッと諒を見上げると 「やっと、俺のこと見てくれた。」 そう言って、柔らかく笑った。 そんな顔、反則だよ… そんなの誰だってキュンとしちゃうよ。 あぁ、そうか。 こうやってみんな諒のこと好きになっていくんだ。 でも、あたしは……