体育館に着くと、


私より先に、



2年の先輩が居た。



初めて見る人だった。



「先輩や先生が入ってきたら、大きい声で挨拶するんだよ。」


と、その先輩は言った。



「……」


何と言っていいのか分からず、




私は黙っていた。



「返事は?」



「は、はい!」



「先輩や先生に何か言われたら、大きい声で返事してね。」




「…はい!」




その先輩は、まだ何も知らない



私に、色々なことを


教えてくれた。




優しい先輩だな、と思った。



だけど、この気持ちはこれが



最初で最後だった。