「あ、……ああ、ティオか……」

 ――王城。王族専用の軍服に身を包み現れた弟に、彼は怯えたように口を開く。今、彼が来たのを知ったかのようだ。既に、彼専用のラインハルトが九機の親衛機と共に到着したという報告は入っている筈なのだが。

「あ……だから……その……」

 弟――ティードリオスは、嘆息し、
「しっかりして下さい。兄上。兄上が私をお呼びになったのでしょう?」

「……あ……そうだったな……その……」

「兄上」
 また溜息混じりにティードリオスが言うが、兄は相変わらずだ。

「殿下。私めがお話しいたします」
 側にいた将軍が、おそれながらという風に進み出た。



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