少し走って真っ先に目に留まった顔…


「蒼!」

思わず叫んでしまった

「え? 奈緒君?」

「お前何で昨日…おいっ!」

蒼は話しも聞かず走って行ってしまった


何でだよ…

それから蒼に話しかけようとすると蒼は俺を避けた


体育祭最後の種目になった

クラス対抗リレー

しかも俺はアンカー

全然やる気が出ない
もう帰りてぇ

どんどん気持ちが落ちていく

はぁ次俺の番じゃん

俺のクラスはビリだったけど先頭とたいして差はなかった

クラスメイトは『お前にかかってる』とか
『一位とって感想聞かせろ』とか言ってる

ん?感想?
そうだ!!

どんどん他のクラスのアンカーが走り出す

「後は頼んだ…」

俺のクラスメイトがバトンを渡してきた

「任せろ! 一位とってやる!」

強気で言ったけど…キツい

俺の前には3人

先頭まで3メートルぐらい

くそっ!

アンカーだけあってみんな早い