…失いたくない人…。
洋はあたしを見て、笑顔を見せた。
あんな風に笑えたらどれだけ楽なんだろう
まだ、心底信じられなかった。
でも、こいつらが接してくるのは偽りでもなくて
思いっきり素で。
だから、あたしも素でいいのかな?って。
出来るかな?
あたしにも信頼する事。
「よしっ、戻るか」
洋さんは立ち上がった。
…背でかっ!!
「行くよ、紫奈ちゃん」
気付けばもう、歩き出している洋。
「はいっ」
あたしも走り出す。
そして、2人で倉庫へ戻った。
「紫奈!!」
ドアを開けた瞬間、抱き着いてきた春哉。
…あたしなんでハグされてんの?
でも、春哉の胸は温かくて…。
あたしの冷え切った心とは違った。
「…ごめんね、はるや」
あたしは、春哉を見上げる。
「心配させんな…」
ちょうど春哉の口元があたしの額にあたる
それを見ていた、洋が言った。

