目を開けた先はホテルの部屋。
「・・・・紫奈!!」
暖かい手と春哉のぬくもりで目を覚ます。
・・・・あれ?
・・・・あ、倒れたのか。
「具合は!?」
みんな、心配そうな目であたしを見る。
・・・・ごめんね?
「だいぶ、楽」
本当は、泣き叫びたい。
”怖かったよ”って。
”あたし、がんばったよ”って。
でも、そんなことをする勇気もなく心の中にグッとしまった。
「なんか、食べたい?」
空があたしを除きこむ。
「いらないや」
あたしは笑顔をつくった。
なんか、笑えない。
そんな特別なことがあったわけでもないのに。

