「お前、まだ帰らなくて大丈夫か?」

「へ?」

「もう9時だぞ。外、暗いぞ」

「えっ!?ウソッッ!??もう9時じゃん…。9時からドラマあんだけど…。今帰っても、絶対間に合わないし。お母さんに電話して録画してもらおっと。五十嵐君、電話借りるね?」


私は、家に電話をかけた。


『もしもし?』

「お母さん?あのさ、いつも見てるドラマ、録画しといてくれない?」

『今、何時だと思ってんの!?』

「ゴメン…。意外に時間かかった…。そろそろ帰るから」

『もう…。録画しといてあげるから、気を付けて帰ってくるのよ?』

「分かった。じゃあね」


怒られた…。ちょっとだけだったけど。


「じゃあ、私帰るね」

「ああ。お前ん家まで送ってくよ」


え…?

正直イヤなんだけど…。


まだ、今日親密な関係になったばかりだから、2人きりとか、ムリだって。


「別にいい。1人で帰るよ」

「いや、暗いし、送ってく。お前1人じゃ道に迷って、誰かに襲われかねねぇぞ」

「なっ!?余計なお世話だよ!」


すんごく余計なお世話。


こんな私でも、今まで片手で数えれるくらいしか道に迷ったことはない。(←バカ)