「あの……狼さん。」


 やっぱり返答無し。

 話すわけないと分かってても無言は虚しいな…







「ん゙~狼さん、どこから来たのかなぁ?」


 私はストラップを回しながら眺めていた。






 ……あ!


 …あああ!










「チャック!」


 ストラップの背中には小さなチャックがついていてポケット式になっていた。





「ぉおお!飼い主さんは準備が良いな~!これで迷子になっても大丈夫なんだね!」


 変にテンションが上がる私。







 ドキドキしながらポケットに指を突っ込んでみると小さな紙切れが入っている。




「ん?」



 その紙切れには携帯の番号が書かれていた。