練習が終わり校舎に入ろうとした時、走ってきた宮本さんが私を追い越した。


そして先に校舎に入っていた先生に追い付いて呼び止めた。



「ねぇ先生!今度の体育祭、騎馬戦で私が勝ったら何かご褒美ちょうだい?」


私は少し離れたところから2人の姿を見た。


かわいく甘える宮本さんは、実際かわいかった。

どう頑張っても適わない気がした。



そんなことを思っていると、先生は目だけを動かして私のことを見た。


そして

「そんな約束、できるわけないだろう」

と言ってその場から立ち去った。



先生がいなくなると、宮本さんの大きな目は私を捉えて睨み付けた。

そして何も言わずに走って行った。