「え？」

と目を丸くする先生。



「あ、すみません。違うんです」


何が違うのかよく分からないが、自分でも予想していない発言をしてしまい、戸惑った。



「見てた…？」



「え？」

先生から返ってきた言葉の意味がよく分からなかった。



見てたって何？


さっきの子の顔が、頭に浮かんだ。



「いや、気にしないでくれ」


そう言った先生に

「あの、先生のため息は聞いちゃいました。すみません」

と謝った。



「そうか。いや、構わないよ」

そう言う先生の目は、いつも以上に悲しみに溢れていた。



その目を見ていると、黙っていられず

「先生、すごく元気がない。大丈夫ですか？」

と言ってしまった。


介入しないって決めていたのに、先生が目の前にいると、コントロールが効かない。