週3日の騎馬戦の練習が気がかりで、この日はあまり授業に集中できずにいた。


ヴァイオリンの練習をどうするか…

放課後、騎馬戦の練習となれば、帰りも遅くなる。



あまり遅くまでは音出せないしなー。

あぁ、どうしよう…


そんなことを考えていると、午後の授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。




教室の扉の方に目をやると、工藤先生の姿があった。


そこで初めて、次の授業が数学であることに気付く。



先生とはあれから特に何もなく、私の心にだけわだかまりがあった。



ただ、あの出来事から先生の授業だけはちゃんと集中して聞くようになっていた。



先生に心配をかけたくない。

そして、2人きりになるのも、ドキドキして心が耐えきれない。