でも実際に試合になったら、絶対危ない。


この競技を考えた人を恨みたくなる。




一旦、騎馬戦の選手で集まり作戦会議をした。



体育祭は全学年を紅白に分けて行う。

1組と2組が赤、3組と4組が白だ。


騎馬戦は各クラスに2チームしかないため、同学年の白組である2年4組に合同練習を提案することになった。


2チームで練習試合をしても全然おもしろくないということで、とりあえず今日は試合をせずに練習が終わった。




次の練習は4組との交渉次第だが、きっと放課後だ。


貴重な放課後の時間が騎馬戦にとられてしまう。

これでケガでもしたら、本当に騎馬戦を考えた人を恨んでやる。


そんなことを考えているうちに解散になったらしく、みんな教室へ帰っていく。


「井上!」

そう呼ばれて振り向くと、吉野くんが優しく微笑んでいた。







「井上、絶対落とさないから安心して。何があっても守るから」



「ありがと…」