翌朝起きると、また梅雨らしい天気に戻っていた。


傘をさして歩いていると

「遥佳!おはよう」

と香奈が後ろから走ってきた。



「おはよう。朝から元気だね」


「普通だよ!」


「そうだった」



香奈は明るくて、テンションの高さはいかにも女子高生らしい。


美優とは正反対のタイプだったけど、一緒にいてしっくり来るのは価値観が似ているから。





校舎に入ると、香奈が教室に行く前に職員室に寄りたいと言うので、ついていった。



「遥佳さ、なんで好きになったの?」


「へ?」


急に聞かれてまぬけな声が出た。


「いや彼ってクールでかっこいいとは思うけど、ちょっと冷たそうだからさ。そういうのがタイプなの?」