その日の放課後、数学研究室へ行った。


補習初日で、どんな風にやるのかと思っていたが、いつものようにソファに座った。


コーヒーも出てきた。




「井上、問題集とノート出して」



出されたコーヒーを一口飲んで一息ついた頃、先生は補習を始めた。




「この問題、解いてみて」



指定された問題を解く。




昨日、この補習に向けて少し勉強しておいたため、難なく解けた。



「井上、勉強してきたんだろう?」


「え、まあ少し」


「まあいいや。じゃあ次はこれやって」



先生が指を差したのは、明らかに難しそうな問題。



とりあえず解き始めると

「簡単な問題じゃつまらないだろう?」

と意地悪そうな笑みを浮かべて、じっと私が解いているノートを見る先生。


分からなくなって手が止まった。