学校帰り見つけた空き地
二人だけのひみつ基地
スクラップとダンボールとトタンの山
たからの山

ダンボールを組合せた小さな小屋
雨避けにブルーシート被せ
風に耐えろとトタンとパイプで壁を支え
思い付くままに空けた丸い窓

そこから見える空き地は輝いてた
鉄屑や不要なフェンスの山
放置され忘れられたゴミたち
どれもが皆キラキラ輝く可能性

何もない空き地にこそすべてがあった
何にでもなれる可能性
石ころ一つだって折れた釘だって
夢の材料だった


整然と並べられた玩具より
道におちてる空き缶が好き
君は言った拾って来た小瓶掲げ
たからものよ

それから始まった僕等のたから探し
ひび割れたビー玉古ぼけたどこかの鍵
菓子の空き箱に集めて隠す
二人だけのひみつ

一緒に作ったたからの地図呪文の書
僕等は勇者で魔法使いだった
海賊で大泥棒だった
不格好なひみつ基地僕等の世界

何もない空き地にこそすべてがあった
何にでもなれる可能性
ダイヤモンドよりキラキラ輝く
あの頃の僕等のたからものたち