ザワザワ
どよめきにも似たそれになってまた食堂はザワつき始めた。
「どうせなら、デブで金持ちでブスがよかったよな」
「お前たかる気満々じゃん」
「つか無駄に厳つくね?」
「元ヤンだからな~」
「えぇ!?チビなのに!?」
「つぅか、どうせ女顔なら女がよかったんですけど~」
「馬鹿か」
ぷつぷつ聞こえてくる会話は、この上なくあたしを嫌な気分にさせたけど、今にもキレそうな自分を必死で抑えた。
手に握ったアイスノンはもうドロドロなのに、思い切り握った拳が、テーブルの下で震えてる。
(どっかでアイツが見てるかもしんない)
相模那都。
そしたら、そんであたしのキレたとこ見られたら、なんか悔しいから。
それこそもう何言われても言い返せない。負けだ。
だからあたしは必死に堪えた。
「つーかさぁ、アイツ」
「ほんとにツいてんの?」
――――――瞬間。
長方形のテーブルが、凄い音をたてて………
割れた。


