オトコノコの気持ち!




「ごめん、俺やっぱ…」


横で千都瀬が申し訳なさそうにあたしに謝った。

千都瀬は始め、少しでも早く慣れるために、皆が集まる食堂であたしを紹介しようかと言ってくれていたのだ。


だけど、あたしがそれを
「多分明日先生がクラスでしてくれるだろうしその時でいい」と断った。


正直、さっきの倉本みたいな反応をこんな大勢に一度にされるのが怖かったから。

まだ心の準備ができてなくて。


……だけど、この髪色はそうとう目立つらしい。



(まぁそうだよな……、みんな大体が黒髪だし……)



ナチュラルっていっても、自然な黒の中でポツンと栄える明るめなアッシュブラウン。

染めてないけど生れつき薄茶色な千都瀬の頭を抜いて、ポツンとそれは目立つのだろう。


一瞬、ナリヤン野郎の言った
『守るもん』って言葉が頭を過ぎった。



(……ムカつく…)



そんなアイツの姿は見当たらなかった。