「にしてもさ!」
倉本は、さっきまで叫んでたあたしへの偏見が嘘みたいに懐っこく話してくる。
なんかこうしてると、さっきのも悪気は無かったんじゃないかと思えた。
餓鬼くさいけど悪い奴じゃないみたい。あたしはこーゆー素直な奴は好きだ。
(自分が素直じゃないから?)
「相模って、結構いい顔してんのに性格アレじゃもったいないべな!?」
「アイツの話すんな」
イライラして倉本に当たりそうになって、あたしはそう言ったとき。
半分呆れたように千都瀬があたしに爆弾を投げ付けてきた。
「でも―――――
東堂、那都と相部屋だよ」
「……うそ!!υ」
倉本が自分のことのように青くなって驚いた。
(まじでか………)
なんかもう、ここに来ていい事が無さすぎて泣ける。
このままだと、あたしの行く末は多分、保健室登校だと思う。


