「………」
「…いや…すげーな、東堂、
お前ほんとに元ヤンなのか…」
ナリヤン野郎も最後になんか説教くせーこと吐かしてどっか消えて
依然として固まったままなあたしに、まだ引っ張る気か、倉本は感心したような口調で、興奮しながら言った。
千都瀬は冷や汗をかいている。
「お前、かっこいいよ!」
「……倉本、お前何言って……東堂は、ここで上手くやってく気がないの……!」
あたしが固まってる間、今度は二人が言い合いを始めた。
「だって!あの相模とマジで
言い合ってんだもん!」
「那都も頭に血が昇りやすい奴なんだよ。お前も知ってるだろ?」
「いや、でも相模と喧嘩なんて怖くてできねーもん。俺なら即頭下げるね。
いや、見直したぜ東堂!
お前すげーよマジで!」
「……なんで、あの茶髪にそんなびびってんの?」
「相模のこと?いや、アイツ私生活謎過ぎてこえーの。色々厳つい噂も聞くし……」
「倉本、怒るよ。俺は簡単に噂とか言う奴「好きじゃないんだろ?わかってるってー」
むかつくあいつの名前は、相模那都というらしい。
(サガミナツ、ね…)
ふぅん、と一人言を吐いて、あたしは食堂に向かうという二人について行くことにした。


