「あ」
そんなこんなで寮についた。
なのに、千都瀬はなかなか中に入ろうとしない。
「……千都瀬?」
言いにくそうに口ごもる千都瀬の両頬を、あたしは片手でむにゅっと潰した。
「なんだよ、ほら言えって」
「あ…うん」
「……俺は、噂とかそういうの気にしないんだ」
「うん」
「……だから東堂も、何言われても気にしないでいい」
「は?」
「だからっ、俺は俺が見たままでお前を知るから!
一人いれば十分だろ!?」
何の話だかさっぱりわかんないままあたしはさっさとドアを開けた。
ガチャ
「……あ」
バタン
「え……?東堂?」
開けた玄関のドアを思わず閉めた。
だって……!上半身裸の風呂上がりのエロすぎる格好でフェロモンが歩いてたから!!!
「む…むり…」
「…緊張してんの?意外」
悪戯っ子みたいに笑う千都瀬。
いや、あたし別に、そんな、そうゆう問題じゃないんだ。
問題なのは野郎共の裸体。
緊張とか……でもなんかもうそれでもいい。
無理…本当無理!!υ
あんなのがウジャウジャいると思うと先行き不安……!


