オトコノコの気持ち!





カッカッカッ

スタスタスタスタ



だんだんお互いに歩くスピードが速まってきた。

宮本的にもめんどくさい役割だろうにここまで頑張ってくれただけでも感謝しよう仕方ないよと思える今のあたしのおおらかさを誰か褒めたたえて欲しい。



「はい、ここが寮ね。まず、ここをまっすぐ左に行くとお風呂。それでそこの通を右、左、左の順に曲がると―――」


(……ん?)


「後、食堂では土足禁止ね。お部屋に緑色のスリッパが届いているだろうから……」


「は……」
(ここに来てそんな適当な!)



まさか入口で寮内の全部屋の説明を受けるとは思ってもみなくて、早口で言われる説明を聞き逃してしまった。

もはやちんけな呪文にしか聞こえないくらいチンプンカンプンだ。


だってまだあたし達、靴すら脱いでないんだよ?!!?

てか立ちっぱ!?!?

ねぇちょっと副校長!!(泣)




「――――それで、あなたのお部屋は今そこ通った食堂の方に聞いてちょうだい」



ておいー!!
とうとうそこまでー!!


もう思うところは有りまくりだけど、とりあえずなんか言おうと思って口を開くと、足早に宮本は去って行った。

『また明日』と言い残して。